第26回来日公演
「じゃじゃ馬ならし」
"Taming of the Shrew
あらすじ
文無しの酔いどれ男、スライがあるパブの前で息巻き、気絶していると、通りかかった狩に出てきた一行からお遊びの冗談を“仕掛け”られる。酔いどれは金持ちの邸宅に担ぎこまれ、ステキな衣装をまとわされる羽目に。驚いたことに、スライは実は裕福な身分の男で、ようやく今、狂気から正気へと目覚めつつあるとのこと。おまけによりそっている美しい女性が(実は馬ていの変装)夫人だといわれ、スライは夢うつつのまま、唖然としていると、ワイドスクリーンテレビである歴史劇を見て、気を休める様にと諭される。そこでまた、眠りに落ちて見た夢がこのお芝居『じゃじゃ馬馴らし』でした。
イタリーはパデュアの裕福な名士、バプティスタにはキャタリーナ、ビアンカという美しい姉妹がいる。この二人は全く正反対の性格の持ち主で、妹ビアンカは淑やかで優しいが、姉のキャタリーナは「じゃじゃ馬」と呼ばれる勇ましい女性で、理不尽な相手にぶつかると、間髪を入れない鋭い言葉でやりこめる。ビアンカには既に3人の熱烈な求婚者が愛を競っているが姉には未だ求婚者もない状態。困った父親は姉が夫を見つけるまで、妹の方も「差し上げられない」と求婚者たちに宣言。ヴェローナからやって来たペトルーキオはホーテンショーというビアンカの求婚者の一人から是非とも姉娘と結婚してくれ、と懇願される。「金持ち」の娘との結婚を夢見ていたペトルーキオはむろん二つ返事でこれを承諾。早速 「君を馴らすべく生まれついた男だ」と名乗りをあげ、キャタリーナの調教にとりかかる。彼女も怯むことなくこの挑戦に応じ、二人の白熱した果し合いはこうして始まった。果たして、この一騎打ちの勝利者は………….? また、ビアンカをめぐる3人の求婚者の苦肉の策略とその暗転の結末は………...?
「むこうが高慢ならこっちも負けずに傲慢だ、怒り狂う二つの炎が
正面からぶつかりあえば、怒りをあおる種もたちまち燃えつきるもの。」
-ペトルーキオ、キャタリーナを妻にすると決めて (弟2幕第1場)
※正岡和恵「逸脱の規範化」(高橋康也 編『逸脱の系譜』(研究社、1999)所収 P.77
公演作品
「じゃじゃ馬ならし」原語上演(日本語字幕)
脚色・演出
ポール・ステッビングス Paul Stebbings
キャスト
Robin Armstrong, Natalia Helena, Richard James Ede, Joanna Elizabeth, Andrew James Christopher, Rick Clodfelter
言語
英語上演(日本語字幕付き)
日本公演
2006年05月16日 〜 2006年06月03日
一般公演
2006年5月18日(木)武蔵野公会堂
6:30 pm 開演/5:45 pm 開場
2006年5月23日(火)京都教育文化センター
6:30 pm 開演/5:45 pm 開場
後援
ブリティッシュ・カウンシル The British Council
インターナショナル・シアター
カンパニー・ロンドン
(ITCL)
ロンドンを拠点に、世界で公演ツアーを行い、独特な演出で世界中の観客を魅了しているインターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドン(以下ITCL)。今年、11月に26回目の来日公演が実現します。
今回は、シェイクスピア作品の中でも人気・知名度の高い「じゃじゃ馬ならし」を原語上演。長年に渡る海外での英国文学作品普及に追力した功績に対して、英国王室より勲章を受賞したポール・ステッピングが脚本と演出を務めます。
日本で行われる数少ない原語公演(英語)。日本にいながら、一流の海外演劇を鑑賞できる貴重な機会。原語上演だからこそ味わえる、シェイクスピアの持つ言葉のリズムや雰囲気をご堪能ください。