『オセロー』
シェイクスピア作
ポール・ステッビンングズ脚色・演出
あらすじ詳細
人物
オセロー |
ヴェニス国家の将軍 ムーア人 |
デズデモーナ |
オセローの妻 |
イアゴー |
オセローの旗手 |
エミリア |
イアゴーの妻 |
キャシオー |
オセローの副官 |
ロダリーゴー |
ヴェニスの紳士 |
ビアンカ |
娼婦、キャシオーの愛人 |
ヴェニス公国の公爵 |
|
ブラバンショー |
デズデモーナの父親、ヴェニスの元老院議員 |
モンターノー |
オセローに前任のキプロス島総監督 |
グラシアーノー |
ヴェニスの貴族、ブラバンショーの弟 |
ロドヴィーコー |
ヴェニスの貴族、ブラバンショーの近親 |
場所: ヴェニスとキプロス島
ある晩ヴェニスの暗い街中で、将校イアゴーはロダリーゴーに憤懣をぶつけている。それは
オセロー(黒人でアフリカ出身)がイアゴーを無視して、戦いに出た経験もないキャシオーを
副官に任命したのだからだ。オセローへの嫌がらせから裕福なブラバンショーの家に行き、
夜中だというのに娘のデズデモーナがオセローと深い中になっていると告げ、驚かそうと
いう計画なのだ。
イアゴーはオセローに出くわすと、ブラバンショーにこの騒ぎをけしかけたのは
ロダリーゴーだと言いのける。ヴェニス公国の公爵はオセローの召還を命ずる。しかし
ロダリーゴーはブラバンショーの一行に加わり、はやくも剣を抜き騒ぎを大きくする。
ブラバンショーはオセローに向い公爵の尋問に答える様命じる。
公爵に向かい、ブラバンショーはオセローを公然と非難し、オセローはデズデモーナにある 魔法をかけたのだと、きめ付ける。オセローはこの非難を公然と威厳をもって否定し、自分と デズデモーナは結婚していると立証する。そこへデズデモーナも呼び出され、彼女はオセローの武勇伝の数々に感銘を受け、二人は純粋な愛で結ばれたことを告白する。折しも公爵は大敵のトルコ軍船がキプロス島に向いつつあること、オセローは即刻出航しなければならないとの緊急事態を明らかにする。この事態に面し父ブラバンショーも“国政”を第一としオセローに娘を与えることにする。デズデモーナは戦艦隊と共に行く旨を述べ,イアゴーはデズデモーナの警護にあたる様命じられる。
イアゴーは何の証拠も無いのに、オセローはイアゴーの妻エミリアと肉体関係を結んだと
主張するが、これは、キャシオーがデズデモーナと密通するという虚偽を後にオセローに信じ
させるための下準備ともいえる。
キプロス島では嵐でトルコ戦艦は沈没。デズデモーナとオセローは始めてこの島で出会う。
オセローは“ああ、私の美しい兵士!”と呼び、“…いま死ねれば、いま以上の幸せはない。
私の魂は歓喜のきわみにある。だから、計り知れない運命の行く手に、これほどの
喜びが、ふたたび訪れるとは思えないのだ。“と将来の運命を暗示する様な喜びを表す。
“………
この満ち足りた心を,どう言えばいいか、ここにつかえて言葉にならない、
喜びが大きすぎる。そしてこれが、これが、ふたりの心が生み出す
(二人はキスをする)いちばんぴったりしないところかもしれぬ。“
この二人の喜びを聞くイアゴーは(傍白)、“ああ、調子が合っているな、いまのところは
だが弦をゆるめてその音色を狂わせてやる、
正直者のこの俺が。”と彼らの運命を狂わすこと、オセローへの復讐を呼び覚ます。
キプロス島では敵船全滅の勝利を祝う晩となった。イアゴーはロダリーゴーを扇動しキャシオーと剣で面白半分の果し合いをさせる。まずキャシオーを酒で酔わせる。キャシオーは ロダリーゴーとキプロス島の前総督であるモンターノー両者とも戦わせる。結果は島中を騒がせたことになりオセローはキャシオーを罷免する。名誉を失ったキャシオーは傷心するのみだが、イアゴーは
デズデモーナに合い彼女に頼んでオセローに名誉回復を懇願すれば何とかなると激励する。
イアゴーが巧みにオセローを操りはじめる、キャシオーとデズデモーナとの仲を思わせぶりに
匂わせる。手始めに、キャシオーが愛人のビアンカと睦まじく話し合っているのを
オセローに盗み聞きさせる。オセローにはデズデモーナと話している様に見せかける巧みさだ。
ビアンカは落ちていたハンカチをキャシオーに放り投げ、誰か他の女からもらったのだろう、
ときめつけるので、意図せずして、オセローの心の底に潜んでいた妻への疑惑を確認した結果となる。このハンカチこそオセローからデズデモーナへの最初の贈り物だったのだから。
イアゴーはオセローに向い、その晩デズデモーナが寝ているときをねらい、絞め殺す様にと
示唆する。またイアゴーもキャシオーを殺すことを約束する。
ヴェニスの貴族、ロドヴィーコーが特命を持って到着。オセローは即刻ヴェニスに戻れとの
ことなので、キャシオーはキプロスの総督になれると推測する。
イアゴーはロダリーゴーに向い、キャシオーを殺せばデズデモーナを独り占め出切ると説得する。
しかしイアゴーは実のところこの二人共殺すことを目論んでいる。ロダリーゴーはキャシオーを
待ち伏せしていたが、結局二人とも致命的な傷をおってしまう。遂にイアゴーはロダリーゴーを
刺す。ビアンカが現れたとき、イアゴーはロダリーゴーと悪巧みをしていたときめ付け、彼女は
連れ去られる。
オセローがデズデモーナの寝室に入ってくる。彼女の悲痛な嘆願も聞き入れず、オセローは
枕で絞殺してしまう。エミリアが入ってきて、事の顛末を質すと、イアゴーがキャシオーと
妻が密通していたと話したと語る。エミリアは始めてイアゴーの悪巧みを悟り、現れたイアゴー
を責め立てる。例のハンカチが証拠となり密通の確信となったことを述べると、エミリアは
そのハンカチは彼女が夫イアゴーに与えたことを思い出す。イアゴーはエミリアを
刺そうとするが、止められる。オセローもイアゴーを刺そうとするが、失敗し、イアゴーはエミリアを刺し、逃げおおせる。しかし又捕らえられる。オセローは彼に深手をおわせる。
ロダリーゴーの死体に隠されていた手紙が遂にイアゴーの謀略と陰謀を暴露することになった。
深手を負ったキャシオーが連れてこられる。
オセローはデズデモーナにキスをしながら、隠し持っていた短剣で自害する。イアゴーは処刑されるべくキャシオーに引き渡される。