シアター&プロダクション

『ハムレット』
シェイクスピア作
ポール・ステッビンングズ台本/演出

あらすじ詳細

人物

 
ハムレット デンマーク王子
クローデイアス デンマーク王、ハムレットの叔父
ハムレットの父の亡霊 
ガートルード デンマーク王妃、ハムレットの母、今はクローデイアスの妻
ポローニアス 宰相
レイアーティーズ ポローニアスの息子
オフィーリア ポローニアスの娘
ホレイショー ハムレットの親友
ローゼンクランツ ハムレットのかつての学友
ギルデンスターン ハムレットのかつての学友
マーセラス 衛兵
バーナードー 衛兵
フランシスコー 衛兵

デンマークの王子ハムレットは父王が変死し、その2ヶ月後に王妃の母ガートルードが父王の弟クローデイアスと再婚したので、やり場のない憂鬱に苛まれている。王と王妃はハムレットが「黒い雲」に閉ざされていて二人に心を開こうとしないので「自然の摂理」を説き、うちとける様に懇願する。王子は「血のつながりは濃くなったが、心のつながりは薄まった。」と駄洒落で答え、素っ気無い。

宰相ポローニアスは口数が多く、常識をまくし立てる老人。息子レイアーティーズがフランスに行くにあたりお決まりの忠告をする。またレイアーティーズは妹オフィーリアにハムレットとの恋について、あまり真面目にとらない様にと妹を気遣う。

ある晩、父王にそっくりの亡霊から叔父クローデイアスの謀略により毒殺されたと告げられる。亡霊は「復讐せよ、然し心は汚すな。」と至難の業ともいえる命題を課す。王子は親友のホレイショーにこの秘密を他言しないと誓わせる。驚き恐れるホレイショーに王子はこの世には人智では計りしれないことがあるのだと諭す。

復讐の念を固めた王子は悩み苦しみながらも、狂人を装い、道化となることによりクローディアスや自分をとりまく全ての人間の真実を確かめようとする。「狂人」という蓑で身を包んだ王子が、次々と放つ辛辣な諧謔の矢の数々、それは見事に相手の急所を貫く。クローディアスは王子の奇行の原因を探ろうと、かつての学友ローゼンクランツとギルデンスターンを城に招き、ハムレットの真実を探らせようと謀るが、ハムレットは叔父の策略を察知し、この二人から叔父の魂胆を白状させてしまう。

一方、宰相ポローニアスはハムレットの狂気の原因は娘のオフィーリアへの恋だと王に忠告し、それを確かめようと王と二人で物陰に潜み、ハムレットとオフィーリアの出会いの様子を盗み聞きする。ハムレットは恋人に「尼寺に行け」といい、女性にたいする不信感を彼女にあたりちらす。純真で美しい恋人オフィーリアは王子の突然の変貌に戸惑い、嘆くのみ。一方、クローデイアスには甥の「狂気」は他に原因があると疑う。

王子は、折しも訪れた旅役者たちに、毒殺のくだりを王と宮廷人の面前で演じさせ、亡霊の言葉の真実を確かめようとする。親友のホレイショーにも王の様子をつぶさに観察する様に頼む。毒殺の段で、王は蒼白になり立ち上がる。遂に、芝居が罪を暴く”罠”となったことに王子は小躍りする。

自分の罪が「悪臭」をはなっていることを意識したクローデイアスは独り祭壇の前で祈るが、罪によって得たもの「王冠、野心、王妃」を手放せない以上、「もちにかかった鳥のように」あがいている自分の懺悔のむなしさを感じてもいる。そこに来たハムレットは叔父を刺す絶好の機会だが、祈る者は殺された後に天国にいくことになるので、ここでは叔父を刺さずに「奴が救いのない悪業に耽っているとき」を待つことにする。

息子の度を超した「悪ふざけ」を不審に思った母と対決するに至ったハムレットは容赦なく母を弾劾し、その場に隠れていた恋人の父、宰相ポローニアスを叔父と思って刺してしまう。そこへ父王の亡霊が現れ、母の「闘う魂に手を貸す」様に告げる。遂にガートルードに「お前は私の心を真二つに裂いてしまった」と言わせる。最後に自分の狂気は偽りであること、それを叔父に漏らさない様約束をさせる。

ポローニアスの死を知り不安に駆られたクローデイアスはこの「俺の血の中で荒れ狂う熱病」のごとき甥を英国に追放することにする。英国に着き次第、殺害する旨を記した英国王への国書を託し、ローゼンクランツとギルデンスターンの二人に伴わせてハムレットを英国へと出国させる。一方父ポローニアスの死とハムレットに見捨てられたことが重なりオフィーリアは気が狂ってしまう。兄のレイアーティーズがフランスより帰国。父ポローニアスの死と隠密の葬儀を知り、暴徒を伴い王に復讐を迫って押し寄せて来る。狂った妹を目の前にし、怒り狂うレイアーティーズに王はハムレットが下手人だと明かし、自分もポローニアスの死を嘆いていること、ハムレットこそ共通の敵だと怒れる若者に告げる。

ハムレットは嵐にあい、海賊船に助けられ、身ひとつで祖国に舞い戻ってくる。実は王の策略を出しぬき、国書をローゼンクランツとギルデンスターンが殺害される旨、書き替えたのだった。王子は愉快そうに墓穴を掘る人夫に出会い、暫しの憩いを得る。偉大なシーザーも今となっては酒樽の栓でしかない。たまたまヨーリックという昔の道化の骸骨を手にした王子は感慨にふける。そこへ、溺死したオフィーリアの弔いの一行がくる。妹の亡骸をもう一度抱こうとし、ハムレットを呪うレイアーティーズを見た王子は全てを忘れ、自分も墓穴に飛びこみ、「実の兄が四万人束になってもかなわない程」オフィーリアを愛していたと絶叫する。二人は激しい掴み合いとなるが王が留める。

決闘

王はレイアーティーズとハムレットに決闘をさせることに決め、レイアーティーズと謀り、剣に毒を塗ること、また酒杯にも毒を盛ることにする。決闘が始まる前に王子はポローニアスを殺したのは「狂気」のなせる業だったと許しを乞う。二人は「兄弟」として闘う事に決める。決闘の途中、息子ハムレットの勝利を願って王妃は毒の入った酒杯をそれと知らずに飲んでしまう。レイアーティーズはハムレットを毒の剣で刺すが、もみあった後、二人の剣がとり替わり、 自分も毒刃に倒れる。毒が体内を駆け巡り、王妃が倒れる。レイアーティーズが王の陰謀を王子に告げる。ハムレットは叔父を刺し、「母上の後を追え」と言い毒杯を飲ませる。こうして、父のためには果たせなかった復讐が、母のために、果たされたことになる。ホレイショーが残った毒杯を口にもっていこうとするが、ハムレットはその杯を取り上げる。「杯をよこせ。ああホレイショー、…目がかすんできた、舌も止まった。さらば、後は沈黙。」と言い、息絶える。

(作成: 渡辺三千代 アシュリーアソシエイツ)

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