『動物農場』
バリー・ゴールドマン監督・演出
イアン・ウールリッジ脚色
あらすじ詳細
地主ジョーンズの農園に飼われている動物たちは、飼い主が自分たちをこき使い、ろくろく食べるものもくれないので、ある晩、反乱を企てる。この動物たちで一番力のあるのがブタ達だ。年寄りブタのメージャー爺さんが口火を切る。自分が見た夢の話をし、動物たちを“同志”と呼びかけ、夢で聞いた『イギリスのけだものたち』という歌を聞かせる。“暴虐人間の破滅のときが、やがてくるのだ。イギリスの豊かな土地が、けだものばかりになるときが。” 馬、羊、驢馬、大ガラスなどこの歌に熱狂し人間撲滅、動物団結の狼煙をあげる。メージャー爺さんはこの事件の三日後に息をひきとるが、爺さんの影響は全ての動物を反乱への火付けとなった。この中でリーダー格の若い雄豚スノーボールとナポレオンが“同士の動物”たちを炊きつけ、農夫ジョーンズを追い出し、その名も“動物農場”と改め、“全ての動物は平等”だとし、動物の自治権を確立する。そして7つの戒律まで決める。“いやしくも二本の脚で歩くものすべて敵である”に始まる動物統率のモットーである。
豚の指導者たちが他の動物たちを団結させるのに使った手段は言葉の隙をねらった操作だった。“四本脚はよい、二本脚は悪い、”という戒律に対し鳥の翼については“推進の器官であって、操作のそれではない”と言いぬける。鳥たちはこの説明はよく理解できないが、受け入れてしまう。
二匹の豚が勢力を争う。言葉巧みなリーダーシップをもつスノーボールに対し、策略で他の動物を自分の同盟にしてしまうナポレオンとの戦いが、この“動物農場”に亀裂を生み始める。水車をめぐっての争いの後で、巧みにスノーボルを陥れ、遂にナポレオンは独裁者の地位を獲得し、彼に反逆する者は飼いならした犬を使い、容赦なく処刑する。脅しと甘言、もっともらしい統計、響きのよいスローガンなどにより、大衆(一般の動物たち)は偽の理想農場建設へと駆り立てられ羽目に。動物たちは過酷な労働時間の下、配給制度の食料分配で、困窮は以前の地主ジョーンズの頃より厳しい状態となる。
しかし動物農場の「官房長官」の役とも言えるスクイーラーは動物たちへの食料配給の「減量」は「変更」と言いぬけ、響きのよいスローガンを斉唱させ、様々な統計で全てに上昇の数字を皆に焼き付ける。また食料は乏しくても人間に支配されていない事実を強調し、動物たちは洗脳されてしまう。
あれほど人間を嫌っていたはずなのに、ナポレオンは近隣の人間共とビジネス取引を始める。言い訳としては、風車建設に使う
パラフィンの必要性をとく。
またこの風車建設の為に、馬鹿力のある、頭の弱い馬、ボクサーはナポレオンを信じて、ひたむきに働き続けたが、力つきて、死にかける。獣医に連れていくというナポレオンがボクサーを押し込めたのは実はとさつ場行きの車だった。他の動物はそれに気付いたがもう遅すぎ、車の中から聞こえるひずめの音が段々消えていくシーンは痛ましい。
やがて月日が流れ、反乱以前のことを覚えている動物たちはあまりいなくなった。豚たちの生活のみ楽になり、一般の動物は以前と同じく困窮していたが、権力者の豚、その最高司令官ナポレオンは精出して働くのは自分たちの為だと強調し、7つの戒律は最後にはひとつに圧縮されてしまう。即ち「すべての動物は平等である。しかしある動物はもっと平等である。」と。
ある日、動物農場に人間が招かれ友好の祝宴を始めた。その時珍妙なことが起きる。豚が二本脚で歩き始めたのだ。屋外からこの光景を眺めていた動物たちには豚から人間へ、人間から豚へ目を移したが、もうどちらがどちらか さっぱり分からなくなってしまった。
(作成: 渡辺三千代 アシュリーアソシエイツ)