『フランケンシュタイン』 あらすじ
脚本:ポール・ステッビンングズ及びフィル・スミス
メアリーシェリ原作の小説及びハリウッドの映画より示唆をうける
Act I.
プロローグ:
フランケンシュタインが造った人造人間、モンスタが受けた苦しみと迫害の物語を未来のクローン人間が紹介する。
人間とは機械であり、死とは単に機械が止まっただけのこと, と信じて生命の蘇生を電気仕掛けで行う実験をしているのがフライシュフレイヤー教授だ。話は19世紀半ばのドイツはイングルスタッドという町で展開する。この町は科学の探求を異端として告発する。学生ヴィクター・フランケンシュタインは、魂を否定する教授に反発するが、教授の娘、エリザベスと恋に落ち、結婚を願う。
教授は未来の娘婿への試練として、自分たちと一緒に教授の実験室でゴリラや毒蛇を殺してから、電気で蘇生させる実験を手伝わせる。こうしてフランケンシュタインは教授に感化され、魂を否定する様になる。3人はゴリラを殺し、電気ポンプで蘇生しようとするが失敗し、次に毒蛇で実験すると、見事に生き返る。ところが教授自身はこのヘビに噛まれて死んでしまう。「死を撲滅せよ」が教授の最後の言葉であった。ヴィクターは教授を電気仕掛けで蘇生させようと提案するが、エリザベスは恋人にこの恐ろしい実験を止めることを嘆願し、結婚して「命を生み出す」ことを誓い合う。二人はこの「無知の塊」の様な町を離れ、フランケンシュタインは医者になり人々を救うことを決意する。
ところが、フランケンシュタインは秘密で夜毎に実験室に篭り、イッゴウという薄気味の悪い墓堀人を手下にして、電気の力によって、死体から人間を造る実験を行っていた。ある晩、悪夢から覚めた、エリザベスは彼に不信の念を抱き、夜の実験室に侵入する。恋人の裏切りを責めるエリザベスをヴィクターは檻にいれ、自分が「命を創る」のを見る様に頼む。“What can be done must be done“(科学で出来うることは、なされねばならぬ)と、この作品に流れる通奏低音のテーマを唱えながら……。その時、激しい稲光と共に、恐ろしい形相の人造人間が覆いの中から現れ、檻から出されたエリザベスに近づき、彼女を掴む。空洞の様な怪物の目に何かが宿り、だんだん人間に似てくるのに、恐怖を感じたフランンケンシュタインはこの異形の怪物を殺すことに決める。これは「傑作」だと叫ぶエリザベスに自分を選ぶか怪物を選ぶのかと迫り、二人はこの「生きている死人」を殺すことに決め、イッゴウにそうする様に命ずるが、反対にイッゴウが殺され、怪力をもつモンスタは逃げてしまう。残された二人は怪物を殺すことを誓う。
Act II.
怪物は実験室から血だらけのまま、野獣の様に吼えながら町に出てきて、ロープに掛けられた洗濯物を奪う。モンスタに驚愕した、洗濯女が叫ぶのを聞き、口を塞ごうとして、相手を殺してしまう。血だらけの手をしたフランケンシュタインは怪物を追いかけてくるが、その場で逮捕される。監獄で釈明しても誰も彼を信じない。町のはずれまで来た怪物は森で鳥の声を聞いたりして、始めての安らぎをもつ。盲目の母親とその娘が住む家の近くにくる。娘が去ると、母親はフルートを奏で、その音楽に怪物は魅せられる。盲目の女性と怪物はパンや葡萄酒を分かち合う。この世に出てきて始めて、平和を知ったモンスタだが、突然現れた娘がモンスタを見て叫ぶので、黙らせようとして、娘を意図せずに殺してしまう。
怪物は町中から追われて逃げまわる。一方、法廷ではフランケンシュタインは殺人の罪で絞首刑を宣告される。エリザベスは監獄まで来て、看守に慈悲を乞うが、全く相手にされない。そこに怪物が現れ、自分を造った男を救いだす。 科学者は怪物が実は「心」をもっていたと気づき、フィアンセのところに連れていく様に頼む。ところが怪物は"You are my prisoner"だと言い、自分についてくることを命じる。
氷の山の頂上で二人は対決する。怪物は切々と自分の受けた苦しみと孤独を訴え、自分と同じ様に醜く、人から忌み嫌われる女を造ってくれ、と懇願する。それが出来なければエリザベスを破滅させることになる、と脅され、切羽詰ったフランケンシュタインは遂に「運命の約束」をし、その引き換えに怪物とその相手は、永久にヨーロッパから離れると約束させる。
エリザベスとヴィクタは墓場に行き、死体を捜すが、蘇生に相応しい死体が無い。そこに現れた喪中の若い女性をめぐって、殺そうとするヴィクタと自己の魂の大切さを信じるエリザベスとは対立する。ヴィクターは「約束」を楯に女性に手をかけると、彼女は逃げるが、物陰に潜んでいた怪物が突如現れ、女性を殺す。3人は死体をかついだまま、逃げ出すが、町中の者が大声で人殺したちを求め、迫ってくる。
実験室で怪物は自分の花嫁を造る様にヴィクターに迫り、エリザベスを掴み、ヴィクターとの凄まじい対決のシーンとなる。恋人への信頼を裏切られたエリザベスは死を望み、叫び出すので、ヴィクターは彼女を檻にいれ、死体の蘇生を始める。外では追っ手の声と銃声が響くが、ヴィクターは執拗に死体蘇生の作業を続ける。突如、エリザベスが檻を抜け、塔に登った瞬間、追っ手の一撃で胸を打たれ即死する。恋人を失い、我を忘れたヴィクターは怪物に自分を殺す様にと迫る。ところが、怪物は墓場にいた女性の心臓を使って、エリザベスの死体を蘇生することを提案し、ヴィクターがこれを実行する。
檻の中の死んだエリザベスにまた命が戻り、青ざめ、血だらけのまま、外に出てくる。 喜びに手をさしのべるヴィクターの方に行きかけたエリザベスは怪物が「わたしの花嫁」とつぶやき手をさしのべると、怪物の手に身をゆだねる。狂気の様に叫ぶヴィクターを後にし、二人は去る。 外では暴徒の「火あぶりにしろ」の怒号が高まる中、自分はすでに地獄にいるのだ、誰もかれも地獄行きだ、と叫びながら狂った科学者は火に呑まれていく。
エピローグ:
21世紀のクローン人間が現れ、モンスタが生き延びたこと、その子孫の未来の始まりを告げる。
(作成: 渡辺三千代 アシュリーアソシエイツ)